Fisher

いろんな人がいて、いろんな本を読んでいる。コーヒーと夜の散歩と伊藤計劃がだいすきな25才が、 あんな本や、こんな本を、紹介します。

MENU

本-文藝春秋

ひとがほんとうはいるということ 「お家賃ですけど/能町みね子」

牛込の加寿子(かずこ)荘を加寿子荘と呼んでいるのは私だけで、それもこっそり呼んでいるだけのこと、加寿子荘には本名がない。不動産屋で紹介を受けたときには、「坂井荘」と聞いていた。でも、実際に来てみると建物のどこにも「坂井荘」とは書いていない…

死んでもいいなんて言っていないし言うつもりもない 「春を背負って/笹本稜平」

先端技術者としての仕事に挫折した長嶺亨は、山小屋を営む父の訃報に接し、脱サラをして後を継ぐことを決意する。そんな亨の小屋を訪れるのは、ホームレスのゴロさん、自殺願望のOL、妻を亡くした老クライマー……。美しい自然に囲まれたその小屋には、悩める…

わらって話せば笑い話 「生きるコント/大宮エリ―」

うちのおとんは、かなり古風な人間で、わたしが大学に行くこと自体、反対だった。 「大学になんか行かなくていい。花嫁修業をしろ」 時代錯誤もいいところである。東大を受験すると言うと、おとんは失神しそうになりながら叫んだ。 「お前、そんなことしたら…