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いろんな人がいて、いろんな本を読んでいる。コーヒーと夜の散歩と伊藤計劃がだいすきな25才が、 あんな本や、こんな本を、紹介します。

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本-新潮社

これがいのち 「卒業式まで死にません-女子高生南条あやの日記-/南条あや」

終止符/私はいつでも追いかけられている この世の中の喧騒(けんそう)とか 義務なんてチンケなものじゃなくて 自分自身に 誰も助けてくれない 助けられない 私の現在は錯乱している きっと未来も ならば 終止符をうとう 解放という名の終止符を 多弁で、個…

純粋でもいいのです 「トリツカレ男/いしいしんじ」

ジュゼッペはみんなから「トリツカレ男」ってあだなで呼ばれている。 一度なにかにとりつかれちゃうと、もう、ほかのことにはいっさい気がむかなくって、またそのとりつかれかたが、そう、ちょっと普通じゃないんだな。 たとえばおととし、あるきもちのいい…

これまでとはまったくちがう世界に行けば、まったくちがうわたしになれるはずなのです 「結婚式のメンバー/カーソン・マッカラーズ」

このろくでもない夏、彼女とジョン・ヘンリーとベレニスという「わたしたち」が存在したが、それはどう考えても願い下げたい種類の「わたしたち」だった。でもそんなことはすべて出し抜けに終わりを告げ、様相が一変してしまった。そこには兄とその花嫁がい…

人生はゲームじゃない 「さよなら、ベイビー/里見蘭」

高校を中退すると告げたとき、一度だけ将来はどうするつもりなのかと父に訊(たず)ねられたことがある。返事をする代わりに目の前にあったマグカップをつかんで食器棚に投げつけていた。ガラスが砕け破片が飛び散る大音量が轟(とどろ)きわたった。世界が…

実際的な暴力の顕在 「ねじまき鳥クロニクル/村上春樹」

彼女はシャワーに入って、服を着て、また日溜まりの中に座った。どう言えばいいのかわからなかったので、僕もその隣に座ったままなんとなくずっと黙っていた。太陽が移動すると、僕らもそれにあわせてちょっとずつ移動した。 家を出た妻を取り戻したい主人公…

あの子たちは何者だ 「何者/朝井リョウ」

就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたからーー。 就活対策をともにするうちに、本音と嘘の均衡は崩れていきます。 追い詰められ、見つめられ、うきぼりになるそれぞれの姿勢。 リク…