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いろんな人がいて、いろんな本を読んでいる。コーヒーと夜の散歩と伊藤計劃がだいすきな25才が、 あんな本や、こんな本を、紹介します。

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本-角川書店

だれかがその波に乗っているのです 「大きな音が聞こえるか/坂木司」

「どうしてもやめられない。誰に何を言われても今、これがしたい。そんな欲求って、否定できないものよ」 サーフィンが好きな高校一年生の泳(えい)は、ある日、“終らない波”ポロロッカの存在を知ります。 「この波に乗ってみたい――」それにはまずは資金集…

モラトリアムをさがすモラトリアムに出掛けましょう 「夏美のホタル/森沢明夫」

写真家志望の大学生・相羽慎吾。卒業制作間近、彼女の夏美と出かけた山里で、古びたよろず屋「たけ屋」を見付ける。そこでひっそりと暮らす母子・ヤスばあちゃんと地蔵さんに、温かく迎え入れられた慎吾たちは、夏休みを「たけ屋」の離れで暮らすことに。夏…

わたしたちはだれを殺していますか 「青の炎/貴志祐介」

本当に、そうなのか。自分で思ったことに、疑問を呈したくなる。完全犯罪というのは、事実、そんなも稀(まれ)なことなのだろうか。 別れた父が現れ、酒浸り、母と娘を脅かします。 17歳の主人公は、警察や法律を頼るのですが、だれも家庭には踏み込めない…

わたしはどうすればわたしになれますか 「少女七竈と七人の可愛そうな大人/桜庭一樹」

「雪風」 「七竈」 「雪風」 「七竈」 「雪風」 「七竈」 わたしたちはたがいの名前を呼びあった。いつのまにか背後に父はいず、薄暗い部屋には代わりに、雪風の弟妹があふれて、走ったり泣いたり笑ったりしはじめた。七歳から十一歳までの、たくさんの弟妹…

この痛みをあなたは知らない 「星やどりの声/朝井リョウ」

そのあと父は、「星やどり」の意味をわかりやすく説明してくれた。雨から身を守ることを雨やどりというだろう。ここは満天の星が落ちてこないようにする「星やどり」だ。 亡き父が遺した喫茶店とビーフシチュー。母と六人の子供たちは、それぞれ、愛する人の…

もうめまいは起きている 「推定少女/桜庭一樹」

最近の子はみんな殺人鬼。 ぼくはもう、家に帰って、話を聞いて下さいじつはこうなんです、などと説明する自信がなかった。逃げよう、とばかり思っていた。 逃げ込んだダストシュートの中で、全裸の美少女を見つけます。 「白雪」と名前をつけて、逃走仲間に…