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いろんな人がいて、いろんな本を読んでいる。コーヒーと夜の散歩と伊藤計劃がだいすきな25才が、 あんな本や、こんな本を、紹介します。

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わたしたちはだれを殺していますか 「青の炎/貴志祐介」

 

本当に、そうなのか。自分で思ったことに、疑問を呈したくなる。完全犯罪というのは、事実、そんなも稀(まれ)なことなのだろうか。

 

別れた父が現れ、酒浸り、母と娘を脅かします。

17歳の主人公は、警察や法律を頼るのですが、だれも家庭には踏み込めないと知り、父の殺害を決意。

物語は、犯罪の計画から実行、顛末までを描き切ります。

 

ほかに道はなかったはずなのに、予定はつぎつぎに壊れていく。

 

だめだ、と理性が答える。結局、この子まで、傷つけてしまうだけだ。/だが、救いを求める気持ちは、もはや、耐えられないほど高まってきていた。もう、限界だ。誰かに、受け入れてもらいたい。誰かに、自分は悪くないのだと言ってほしかった。

 

だれが殺されていますか。

 

狂気ではなく、SOSの叫び。

事件がひとりの視点に降りるとき、こんなにも苦しいのだと知ります。

 

ミステリとして、家族・友人の物語として、お読みください。

完全犯罪の過程も見物です。

 

青の炎 (角川文庫)

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かいじゅうたちのいるところ

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