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いろんな人がいて、いろんな本を読んでいる。コーヒーと夜の散歩と伊藤計劃がだいすきな25才が、 あんな本や、こんな本を、紹介します。

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わたしもわたしたちも、みんな不器用です 「あずかりやさん/大山淳子」

 

「一日百円で、どんなものでも預かります」。東京の下町にある商店街のはじでひっそりと営業する「あずかりやさん」。店を訪れる客たちは、さまざまな事情を抱えて「あるもの」を預けようとするのだが……

 

預けられる物は、自転車、タイプライターから、書類、そして拳銃。どれもわけありの品ばかりです。

物語は、盲目の店主・透の相棒を自負する”のれん”をはじめ、店内のガラスケースや看板猫、あずけられた物たちの独白によって、語られます。

 

わたしたちは解り合えない。

 

のれんたちも物も、ちょくせつ人と話すことはできません。彼らにとって、人間はふしぎで、なにかと解せない存在です。

それぞれに持ち主を慕い、あずけられては待ち、迎えてもらえた場所で、そこにいるひとびとと、また暮らしはじめる。

それは幸せのひとつの形なのかもしれません。

だけど、ちょっぴり、切なくなってしまいますね。

 

わたしは動揺し、つい、ゆらゆら揺れてしまいました。相沢さんは不思議そうな顔をしました。風がないのにのれんが揺れたので、誰かに覗かれたような気がしたのでしょう。

 

童話でありながら、ミステリの要素がしっかりとあり、大人も子どもも楽しめる作品です。

やさしい気持になりたいとき、ゆっくりゆっくり、読んでください。

 

 

([お]15-1)あずかりやさん (ポプラ文庫)

([お]15-1)あずかりやさん (ポプラ文庫)

 

 

不器用さはもう楽しむしかない。文筆家、音楽家、俳優・星野源の初エッセイ集です。

そして生活はつづく (文春文庫)

そして生活はつづく (文春文庫)

 
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