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いろんな人がいて、いろんな本を読んでいる。コーヒーと夜の散歩と伊藤計劃がだいすきな25才が、 あんな本や、こんな本を、紹介します。

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この痛みをあなたは知らない 「星やどりの声/朝井リョウ」

 

そのあと父は、「星やどり」の意味をわかりやすく説明してくれた。雨から身を守ることを雨やどりというだろう。ここは満天の星が落ちてこないようにする「星やどり」だ。

 

亡き父が遺した喫茶店とビーフシチュー。母と六人の子供たちは、それぞれ、愛する人の喪失と向き合ってきました。

だけど、まだ、足りない。時間も覚悟も。

まだ手放せない、家族も店も。

 

心の中と、現実、ふたつをいっしょに、時間は進めていきます。

ついに、店をつづけられなくなる日が、見えてきて……。

 

母のてのひらはとっても小さい。けれど、たぶん、魔法が使える。小さなころからずっと、るりはそう信じている。どんなに悩んでいるときでも、どんなに落ち込んでいるときでも、お母さんの作る料理を食べれば、そのときだけでも胸のもやもやはなくなった。食事をすると人間は体温が上がる。それはただ血液の循環がよくなるとかそういうことではなくて、きっと、悲しさやさみしさで冷え切ってしまった体のなかに、「おいしい」という、幸せに直結した感覚がしみこむからだ。

 

現実を失うときは、もっと、ずっと、痛い。

 

だからこそ、大盛の希望を、本にして。

 

家族みんなに視点が与えられています。

勇気がもらえる一冊です。

 

星やどりの声 (角川文庫)

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