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いろんな人がいて、いろんな本を読んでいる。コーヒーと夜の散歩と伊藤計劃がだいすきな25才が、 あんな本や、こんな本を、紹介します。

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これまでとはまったくちがう世界に行けば、まったくちがうわたしになれるはずなのです 「結婚式のメンバー/カーソン・マッカラーズ」

 

このろくでもない夏、彼女とジョン・ヘンリーとベレニスという「わたしたち」が存在したが、それはどう考えても願い下げたい種類の「わたしたち」だった。でもそんなことはすべて出し抜けに終わりを告げ、様相が一変してしまった。そこには兄とその花嫁がいた。彼女はまるでそのとき初めて二人を、自らの内部にあると前から知っていた何か・・として見たかのようだった。「彼らはわたしのとってのわたしたち・・・・・なんだ」と。

 

背ばかり高い12歳の少女は、兄の結婚式を機にすべてが変わるのだと信じます。

気の触れた夏、いとこと青い義眼の料理女、三人きりの世界をいま消して、あたらしい名前とともに、少女は歩き出すのですが……。

 

「ものすごく変てこな感じなの」と彼女は言った。「それが起こった、起こり方がなにしろ」

「それが起こったって、何が起こったんだね?」ベレニスは言った。

ジョン・ヘンリーは二人を見て、黙って話を聞いていた。

「こんなにわけがわからなかったことって、初めてよ」

「でもいったい、何のわけがわからないんだね?」

「すべて丸ごと」

 

そこはすてきなばしょで、かれらは、わたしをメンバーにしてくれる。そうでしょ?

 

脆くも、果敢で、危なっかしい。少女の感受性を描き切った一作です。

これは冒険。だからわくわくします、はらはらも、ちくちくも。

少女から、大人になった少女まで、すべてのひとに送りたい物語です。

 

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