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いろんな人がいて、いろんな本を読んでいる。コーヒーと夜の散歩と伊藤計劃がだいすきな25才が、 あんな本や、こんな本を、紹介します。

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せんせい、ねえ、せんせい 「きみはいい子/中脇初枝」

 

17時まで帰ってくるなと言われ校庭で待つ児童と彼を見つめる新任教師の物語をはじめ、娘に手を上げてしまう母親とママ友など、同じ町、同じ雨の日の午後を描く五篇からなる連作短編集。

 

ある日とつぜん、名前が付く。だけど、こころは、それまでと同じなのです。

 

教師は聖人じゃない。ひとを救えない。

子どもは出席番号じゃない。母親は天使じゃない。

 

時間をかけて、経験をして、すこしずつ学んでいくしかないのです。

 

「手を焼くときはホットケーキを焼くのが一番。」

はなちゃんママはそう言いながら、ホットケーキミックスで作ったホットケーキをひっくりかえし、ひとりでわらった。

はなちゃんは興奮してつかれたのか、はやばやとお昼寝をはじめていた。

雨は降りつづいていた。

まるで世界中を覆うような雨の中で、あたしたちはぬれもせずに、ひとつの部屋に一緒にいた。ホットケーキのにおいにつつまれて。

 

ねえ。

 

みんな無力で、みんな苦しい。だからこそ、助け合わなくちゃ、手を取り合わなくちゃ。

ちいさな悲鳴をつぶさない、地域や社会でありたいですね。

 

ちゃんとしなくちゃ、って思っているひとへ。

だいじょうぶ、って伝えてくれる一冊です。

 

きみはいい子

きみはいい子

 

 

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そこが母国ではないということは。ミステリ要素のあるヒューマンドラマです。

桜子は帰ってきたか (文春文庫)

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