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いろんな人がいて、いろんな本を読んでいる。コーヒーと夜の散歩と伊藤計劃がだいすきな25才が、 あんな本や、こんな本を、紹介します。

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わたしたちには叶えてほしいお願い事がある 「こんこんさま/中脇初枝」

 

この、廃屋と見まごうほどに朽ちかけた屋敷を、近所のひとたちはこんこんさまと呼ぶ。茫漠とひろがるこの庭のどこかにこんこんさまと呼ばれる神様が祀られているからだというが、現在の住人はだれもその社を見たことがなく、その社がどこにあるのかさえ知らない。あるいは、石なら知っていたのかもしれないが、石はなにも言わずに死んでしまった。

 

末娘がぐうぜん引き込んだ占い師によって、てんでばらばらだった家族が集められます。

 

家相を見ましょう。おや、よくない川があるな。庭も、屋根も、これは二階を取り払った方がいい。

占い師をちゅうしんに、生活が一変します。そこであきらかになっていく、ひとりひとりの執念、後悔。

 

順に、視点を移して、物語は進みます。

 

あまりに黒く澄んでいるので、一体なにを考えているのかだれにもわからない。もちろんさちにもわからなかったが、さちはたっくんの考えを知りたいと思ったことは一度もなかった。だから二人はとてもうまくいっていた。

 

みんなだれかの子供だ。

 

歯痒さと、ひやりとする瞬間、瞬間。

さいごまで、「どうなるの?」と、気が抜けない一冊です。

はらはらしましょう。物語はハッピーエンドです。

 

こんこんさま (河出文庫)

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西の魔女が死んだ (新潮文庫)

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