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いろんな人がいて、いろんな本を読んでいる。コーヒーと夜の散歩と伊藤計劃がだいすきな25才が、 あんな本や、こんな本を、紹介します。

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あの子たちは何者だ 「何者/朝井リョウ」

 

就職活動を目前に控えた拓人は、同居人・光太郎の引退ライブに足を運んだ。光太郎と別れた瑞月も来ると知っていたからーー。

 

就活対策をともにするうちに、本音と嘘の均衡は崩れていきます。 

追い詰められ、見つめられ、うきぼりになるそれぞれの姿勢。

 

リクルートスーツひとつでは、矯正しきれない個性があって、そのことを自分自身ですら忘れそうになってしまう。足並みを揃えるその足は、右と左でさえおなじサイズではないのに、どうしても、他人の足と並んで比べてしまう。

ちがうに決まっているのに。

 

「思ったことを残したいなら、ノートにでも書けばいいのに、それじゃ足りないんだよね。自分の名前じゃ、自分の文字じゃ、ダメなんだよね。自分じゃない誰かになれる場所がないと、もうどこにも立っていられないんだよね」 

 

異なる世代のひとが、彼らの主流を、いくらかにしても、理解するには欠かせない一冊です。就活生をもつ親御さんなど、読んでおくといいかもしれません。

 

わたしたち、こんなところで、こんなふうに、戦っています。

 

ただし、就活生自身は読むまでもなく、見て、感じて、知っている現実ばかりでしょう。むしろ気が滅入るかもしれないので、気合を入れて読むことをおすすめします。

現代の一角を切り取る物語です。

 

何者(新潮文庫)

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生きるぼくら (徳間文庫)

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