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いろんな人がいて、いろんな本を読んでいる。コーヒーと夜の散歩と伊藤計劃がだいすきな25才が、 あんな本や、こんな本を、紹介します。

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芸術はどこにありますか 「ネオンと絵具箱/大竹伸朗」

 

今まで目の前になかった「質感」を伴う世界が「外側」と「内側」で共振し始める瞬間、それら二点間にスーッと一本の頼りない蜘蛛の糸が風に揺られてフラフラユラユラと伸びていく思いがする。

その糸の「質感」に触れる気持ちは非常に微妙であやうい。そのあやうく伸びる糸が向う側に行き着いた瞬間から、用心深く時に大胆にその間を行ったり来たりを繰り返す。

 

美術家・大竹伸朗によるエッセイ集です。

作り続けるスクラップブック、その原点である幼少期から、宇和島へ創作の拠点を移してからの日々を、夢や家族、銭湯など、さまざまなエッセンスとともに振り返ります。

くすりと笑えるエピソードもあります。

 

宇和島に足を踏み入れて二十年、やっとここが好きになり始めた気がする。理不尽な「時間」と自分の立つ「場」の間で新たな「音」が共振し始めたからかもしれない、そんなことを感じる。共振方法にマニュアルはない。いかなる状況に自分が置かれようと期待ぬきに自分を信じ淡々と繰り返すことしかない。

 

得たいが知れないのはみんなおなじ。

 

表現しよう、伝えよう、自分に他人に。それはわくわくすることで、わくわくするって、楽しいから。

魔法の匂いでいっぱいの一冊です。

 

あわてずに、こころにゆとりをもって読むと楽しめます。

美術の道にすすもうか迷っている。そんなひとに送ってもすてきです。

 

ネオンと絵具箱 (ちくま文庫)

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