Fisher

いろんな人がいて、いろんな本を読んでいる。コーヒーと夜の散歩と伊藤計劃がだいすきな25才が、 あんな本や、こんな本を、紹介します。

MENU

遮断されていく現実 「探偵・日暮旅人の探し物/山口幸三郎」

 

保育士の山川陽子(やまかわようこ)はある日、保護者の迎えが遅い園児・百代灯衣(ももしろてい)を自宅まで送り届ける。灯衣の自宅は治安の悪い繁華街にあり、日暮旅人と名乗る灯衣の父親は探し物専門の奇妙な探偵事務所を営んでいた。

澄んだ目をした旅人と、人形のように美しい灯衣。名字の違う不思議な親子に興味を惹かれた陽子はたびたび事務所を訪れ、旅人が持つ能力を知ることになる。

 

連作短篇ミステリです。謎解きの日常と、旅人・灯衣をめぐる不穏な事件の、二重構造になっています。ややギャップが激しいとかんじるかもしれません。

五感を始め、人間の行動・思考パターンを視覚で認識する、旅人。

彼にはしかし、視覚以外の感覚がない。

 

――僕の目は『愛』を見つけ出すことだってできるのに。

 

ほんとうに? だって、見つけ出せないことに、どうやってわたしたちは気づけるだろう。

 

設定に気乗りしないで読み逃すには、もったいない。このあとなにもかにもがたいへんなことになるのです。

 

旅人の探し物が完結する第4巻まで、ぜひお読みください。

 

 

あわせて読みませんか

 

わけない意志はない。 行動学への興味を駆り立てられます。

広告を非表示にする