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いろんな人がいて、いろんな本を読んでいる。コーヒーと夜の散歩と伊藤計劃がだいすきな25才が、 あんな本や、こんな本を、紹介します。

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純粋でもいいのです 「トリツカレ男/いしいしんじ」

 

ジュゼッペはみんなから「トリツカレ男」ってあだなで呼ばれている。

一度なにかにとりつかれちゃうと、もう、ほかのことにはいっさい気がむかなくって、またそのとりつかれかたが、そう、ちょっと普通じゃないんだな。

たとえばおととし、あるきもちのいい春の朝、あいつは突然オペラにとりつかれた。オペラってわかるかな、うたいながらするお芝居のことさ。ラジオでへたっぴなオペラ歌手がぼやぼやうたうのをききながら、

「ふうん、おれのほうが、よっぽどうまいよな」

ジュゼッペは思った、その瞬間にだよ、もうはまってたね。オペラに。

 

オペラ、三段跳び、サングラス集め、なんにでもとりつかれてしまうジュゼッペに、こんどは恋がとりつきます。

ペチカのためならなんでもしてしまうジュゼッペを、親友のネズミはみかねて……

 

「まちがってる!」

 

それでも行かなきゃ。

 

いっしょうけんめい恋することは、いっしょうけんめい生きることにつながるから。

 

結末に期待せずにはいられない、やさしい物語です。

短いお話ですので、家族みんなで楽しめます。

 

トリツカレ男 (新潮文庫)

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